街を歩いているときに目にする空き地や、電車の窓についた埃が西日を受けて光っている瞬間、誰かが何気なく語った言葉、帰り道に聞こえてくるリコーダーの音など、生活のなかで目や耳にする瞬く間に忘れ去られてしまうような小さな 出来事の集積によって世界は成り立っています。
速さや簡潔さが求められる社会の中で取りこぼされてしまうであろう上記の出来事に対峙する時間を作ることを目的に、トレースや版画、映像、写真などのうつしの手法を用いながら、空間そのものの特性を取り込む作品を制作しています。